探偵の彼に追跡されて…
「はい。幸子さんからマドレーヌの差入れ」

美野里はブラックコーヒーとマドレーヌを沙汰郎の机に置く。

「キュルルのマドレーヌか」

「ねぇ?」

「ん?」

「本当はブラックだったんでしょ?」

「ん?」

「どうして?どうして言ってくれなかったの?私って言えない雰囲気出してる?」

なんか悲しくなってきちゃった。

「私、沙汰郎の事なんにも知らなくて…
思いこみでずっと来てた」

美野里は悲しくなり俯く。

「美野里?ちょっとおいで」

沙汰郎は美野里を膝に座らせると静かに話しだした。

「俺はね?美野里が初めてここに来た時美野里に一目惚れしたんだよ。最初笹木さんに話をもらった時は雉馬って苗字だけで採用するつもりだった」

沙汰郎はふざけてるよね?と笑って話を続けた。

「でも美野里を見て、ああ可愛い子だ。ずっと俺の側に置いておきたいって思った。それからはいつも美野里を見てた。一度胃を少し悪くしてね、その時コーヒーに牛乳を入れて飲んでたら美野里が『冷たい牛乳だとコーヒーが冷めちゃいますよ』って言って牛乳を温めてカフェオレを作ってくれたんだよ覚えてる?」

言われたらそんな事あったような…

「嬉しかった。この娘は人への気遣いの出来る子なんだって。それからはいつも牛乳を温めてコーヒーに入れてくれるようになった。俺の為を思って作ってくれるカフェオレは最高だったよ。ちょっと甘かったけどね。俺が美野里の誕生日に買って来たケーキに涙して喜んでくれてケーキの箱に結ばれたリボンを可愛いって微笑んだ顔今も覚えてる」

沙汰郎…






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