戦国ゴーストと妖退治


『長谷川先生、長谷川先生、至急別棟玄関まで来てください。繰り返します―――』



謹慎処分中の俺が職員室に行くのはまずい。
そのため、放送室に向かい放送部の連中に頼んで放送してもらった。


気づいてくれ、そう願いながら別棟に向かう。
放送は別棟に入れないようにしてもらった。
水原に気づかれて、変な気を起こさせないようにするため。

あいつの意図がわからない以上慎重に行かないと。




焦る気持ちを抑えながら待っていると小走りで長谷川がやってくるのが見えた。



「今の放送、お前か!?なにやってんだ、お前謹慎中だろう」

「そんな事言ってる場合じゃない。水原が清宮を拉致ってるらしい」

「・・・は!?」



一気に緊迫した空気が流れる。





「それは、本当なのか?」

「ああ、信長が言いに来た。あいつ、教材室に入れなくしてるらしい」

「鍵がかけられてるのか?」

「鍵はかけられてるだろうけど、信長が入れないのは多分別の理由だ」




結界的なものでも張っているのか。
あいつならありうるかもしれない。




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