夜まで待てない




マンションに着いて時計を見ると二十三時を回っていた。


それにまだ羽月は帰っていなかった。


私はシャワーを浴びて上がると部屋に行き、ベッドに倒れ込んだ。


考えるのは羽月の事…


美波が羽月にキスをしたのを見た時は凄く嫌で苦しくて逃げてしまった。


私は羽月の事が好きなんだと思った。


やっと自分の気持ちに気づいたのにあんな場面を見てしまうなんて。


まだ帰ってこないのは美波と一緒に居るって事だよね?


そう思うと苦しくて涙が溢れそうになる。


お兄ちゃんや日菜子が気づいた時には遅かったってなると言っていたがまさにその通りになりそうだ。


鬼プヨはぶつかれって言ったけど私にはそんな勇気ない。


何だか悲しくて、羽月との幼い頃の記憶が蘇り、私は泣きながら眠りに就いた。




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