ティアラ
平気そうな態度で、口を動かす直子。

何も気づかないふりをしていたけれど、もう限界だった。


「……直子はそれでいいの?」

そこまで我慢する気持ちが理解できない。

「好きなんでしょ? 太一のこと」

キョトンとした顔をする彼女に、きつい口調で問いかける。

すると、直子の表情は一変した。

口をキュッと閉じて、目を細めていく。

言葉を詰まらせる彼女を、ジッと見つめるあたし。

……やっぱりそうなんだ。

この前、太一のことで涙を流した直子を見たとき、あたしは太一の気持ちよりも、彼女の本心が気になって仕方がなかった。
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