ティアラ
その日の夜、あたしは悩みに悩んだ結果、篤紀の携帯電話を鳴らした。

「何だよ、こんな時間に」

寝ていたのか、彼は「んー……」とかすれた声を出している。

「あのさ」

いつまでも弥生ちゃんのことで悩まされるのは、勘弁。

まだ好きなのかもしれないけれど、篤紀はもうあたしの彼氏なの。だから……。

「次の日曜日、あたしの家に来ない?」

重く感じられないよう、あたしは軽い口調で聞いた。

今度の日曜、お父さんとお母さんに篤紀を紹介しよう。

親公認の仲になっちゃえば、篤紀は親の重圧に負けて、嫌でもあたしから離れられなくなる!!
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