ティアラ
「でも、意外だったなぁ。美和先輩でもそんな悪戯っぽいことするんですね」

悔しがっているあたしを見て、美緒ちゃんはくすくす笑う。

「こう見えても美和は……いでっ」

「ちょっと子供っぽかったかな。仕返しとか慣れてないから、どうやればいいのかわからなくて」

余計なことを口走ろうとする太一のお腹をひじで突き、あたしは清楚な表情を取り戻す。

できるだけこの子たちの前で作戦を言うのはやめておこう、と考えながら。

「ねぇ、弥生ちゃん」

痛がっている太一を無視して、あたしは弥生ちゃんに話しかけた。

「日曜日、弥生ちゃんの家に遊びに行ってもいい？」

前に弥生ちゃんから、深町は日曜日と月曜日はバイトを休みにしていると聞いたことがある。

なら、日曜日はきっと家にいるはずだ。

普段のあいつに密着して、弱みになるものを探そうと思っていた。
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