第二部 母と妻と女の狭間で・・・ 留学時代編
「ドン、ドン、ドーン」

「うるっさいなー」

 そのままほっとくと、またすぐに、

「ドン、ドン、ドーン」

「うざ!」

 それでも、無視してたら、今度は、
部屋の窓を叩く音がした。

「カン、カン、カン」

 時計を見ると、12時を回っていた。

〈え!もうこんな時間〉

 急に我に返って、音がする窓の方を
見たら、そこには寧子とミチの顔。

 二人とも、半分笑いながら、半分怒って
いた。

 二人の顔を見た時に、2人が何を言いた
いか、すぐに理解できた。

 すぐに着替えて、玄関のドアを開けると、
寧子が開口一番、

「何やってんの!
勉強するために、学校から近いアパートに
引っ越したのに、学校サボっちゃ話に
ならないでしょ!」

 ごもっとも、さすがに私もかっこ悪くて
何も言い返せなかった。

 ミチは、寧子の横で、なにか言いたげな
表情をしながら、それでも、黙って寧子の
言うことを聞いていた。

「わかってるけどさ、昨日はすごく嬉し
かったから、朝方まで飲んじゃったんだよ」

「でも、Ashはちゃんと学校に来てる
じゃん」

「だって、一人で飲んでたんだもん」

「とか言って、もうやったの?」

 寧子が、エロオヤジの顔をしながら
直球を投げてきた。

 それを聞いた途端、ミチの顔色が変わった。
< 20 / 124 >

この作品をシェア

pagetop