第二部 母と妻と女の狭間で・・・ 留学時代編
 私の顔を見るなり、あさひは立ち上がって、
学校に行く支度を始めた。

「え?今、何時よ?」

「7時30分過ぎだよ!」

 えー!、もうそんな時間なんだ。
どうしようっかなー、頑張れば間に合うけど、
めんどくさくいなー。
 何気に、琴乃さんとも話したいしなー。

 そんな私の葛藤を察知したのか、あさひが

「今日は間に合うんだから、サボるなよ?」
 
 先に釘を差してきた。
 
あさひに言われたら、しょうが無い。
慌てて、着替えて学校に行く支度を始めた。

 時計を見ると、7時40分。
ギリギリだ。

 琴乃さんは、そんな二人のやり取りを
微笑ましそうに、見ている。

 お化粧もしないで、なんとか7時50分
には、琴乃さんに「行ってきまーす」して
部屋を出た。

 そしたら、あさひが車のエンジンかけて
待っていた。

「早く乗んな!」

 そう言うと、車のドアを開けてくれた。

〈お、やるな?〉

 そう思ったけど、口には出さず。
だって、こんなシチュエーションで、そん
な事口に出したら、確実に置いて行かれる
もの。

 私が言ったのは、

「ありがとう」

って、一言。

 それから、車で急いで、教室には先生と
同時に入った。

 ほんとにギリギリ間に合った!

 慌てて席につくと、いきなり寧子が、

「ちょっと、あんた、なんで遅いのよ?」

 そりゃ聞くよね。
昨日はみんなと遅くまで、うちにいたんだ
から、私だけ遅刻じゃ、怒られるものね。
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