シオン



きっと彼も悩んだ上で出した答えなんだろう。


私のためを思って。



彼はただ涙を流し続ける私に


「そういうことだから」


と一言残し、帰っていった。



彼の後ろ姿が遠くへ行って

完全に見えなくなったとき、


私は声を上げて泣いた。


< 68 / 89 >

この作品をシェア

pagetop