次期社長の甘い求婚
「どうしよう、このホテル知ってる……」


チェックアウトを済ませ外に出て、泊まっていたホテルを見上げたまましばし唖然としてしまう。

そこはよくテレビに映るほど有名なホテルだったから。


どう見てもあの部屋は高かったはず。

しかもこんな一流ホテルの部屋だ。宿泊代を聞いたら、腰を抜かしてしまいそう。


「とっ、とにかく会社に行かないと」


いつもは動きやすいラフなスタイルだけど、神さんがチョイスしてくれたのは、襟元にレースがあしらわれたオフホワイトのブラウスと、淡いネイビーのタイトスカート。


OLさんらしい通勤スタイルだとは思うけど、普段着ない服装だからか妙に落ち着かない。

けれど一度家に帰って着替える時間もないし、なによりせっかく用意してくれたんだもの。


着ていかないと悪いよね。
そう言い聞かせ、会社へと急いだ。



それから電車に揺られ、無事に会社に辿り着いたものの……。
さっきから異様に周囲の視線が突き刺さっていたい。


え、もしかして普段とは格好が違うから? 私がスカートで出社するのそんなに可笑しい? たまにスカートで出勤している時だってあるのに。
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