次期社長の甘い求婚
「半月前、はっきり言われちゃったけどさ、俺はやっぱり美月のことを諦められそうにないって」


神さん……。


握られた手から伝わる熱と、依然向けられている真剣な眼差し。

とても冗談を言っているようには見えない。


「あそこまで言われたら、すっぱり諦めようと思ったんだ。……けれど社内で美月のことを見かけるたびに、気になって仕方なかった。そして昨夜、泣いている美月を見て自分の気持ちに気付いたよ。……俺は美月のことが本気で好きなんだって」


ドクンと心臓が飛び跳ね、目を見張ってしまう。


だって誰が想像できる?
私、神さんに散々なことを言ったのに――……。


ギュッと唇を噛みしめてしまう。


「例え美月に好きな人がいて、俺には全く興味なくても、簡単には諦められない気持ちなんだ。……いや、絶対諦められない」


伝えられる神さんの想い。


「……どう、して私なんですか?」


嘘じゃないと分かっていても、聞かずにはいられなかった。
< 137 / 406 >

この作品をシェア

pagetop