次期社長の甘い求婚
一昨日送ってもらったのは、家の近くまでだった。

だから神さんが家の近くまで来たら、私が外に出ることになっていたのに。

どうして家が分かったのだろうか。


不思議に思い問いかけると、その理由を神さんはすぐに話してくれた。


「さっきそこで榊原さんと会って聞いたんだ。美月なら準備を終えて、そわそわしながら待っていますから、早く行ってあげてくださいって」


なっ……! 亜紀ってば余計なことを……!


あとで文句言わないと、と考えていると、ふと感じる視線。

それはもちろん神さんのもので、まじまじと私を見てくる。


「あの……神さん?」


呼びかけると、神さんは嬉しそうに頬を緩ませた。


「榊原さんから聞いていたけど、本当に今日の美月きれいだなって思って」

「え、」

「似合うよ。服もメイクも髪型も。……惚れ直すくらい」


相変わらずストレートな言葉に、たじろいてしまう。


「準備終わっているんだよな? だったら出よう。時間が勿体ない」


「あっ、はい。えっと、戸締りだけしてきちゃうんで、待っててもらってもいいですか?」
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