次期社長の甘い求婚
「すっげお腹苦しい」

「粉物ってお腹に溜まりますよね」


ふたりでお好み焼きを堪能し店を出る頃には、すっかりお互いのお腹はパンパンに膨れ上がってしまっていた。


「こんなに苦しくなるほど食ったの、すっげ久し振りかも」


そう話す彼の笑顔は、会社で見たような無理しているものではなく、ホッとしてしまう。


少しは気が紛れたかな?


嫌でも明日からまたあのふたりと同じ職場で顔を合わせなくてはいけない。

いくら研修期間の間だけと言っても、辛いはずだよね。


ふたりの話していた神さんの悪口が頭をよぎってしまい、鞄を持つ手が自然と強まってしまう。


「送っていく」

「あっ、ありがとうございます」


慌てて笑顔を取り繕い、彼と肩を並べて会社近くの駐車場へと向かっていく。


道路を走り去っていく車のエンジンが響く中、神さんは静かに話し始めた。


「今日はありがとうな。……いつも通りの美月で接してくれて助かった」
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