次期社長の甘い求婚
いつになく真剣な瞳の彼に、トクンと胸が鳴る。

けれど勇気を出し、絞り出すような声で言った。


「ずっと幸せになりたいと思っていました。その幸せは平凡なものでいいって。平凡な暮らしの中で、私のことをずっと想ってくれる人と幸せになりたいと。……でも今は違います、私も幸せにしてあげたいんです」


真っ直ぐ彼を見つめたまま、最後にそっと伝えた。


「神さんのことが、好きだから……」


初めて伝えた“好き”って気持ち――。


途端に神さんは狼狽え出した。


「え……それって、嘘……じゃないんだよ、な?」


よほど信じられないのか、恐る恐る聞いてきた神さんに一瞬面食らうも、その姿が異様に可愛く見えてしまい口元が緩んでしまった。


「嘘で告白なんてしません」


あれほど緊張していたというのに、神さんの驚く姿に和まされ緊張も解れていく。


嘘じゃないと伝えたものの、今度は微動だにせず固まってしまった神さん。
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