次期社長の甘い求婚
そんな神さんに伝わるよう、彼の瞳を捉えたまま伝えていった。



「神さんが言ってくれたから、早く立ち直ることができました。……それに初めてだったんです、隠してきた感情を見抜かれちゃったの。ときどき、どうしようもなく辛くなったり、哀しくなっちゃうこともあったけど、必死に隠していたのに。……気づいてくれて、放っておけないって言ってくれて、嬉しかった」


「美月……」


本当に嬉しかった。


それと同時に気づいたの。
神さんは私のこと、ちゃんと見てくれていると。



「最初は神さんのことなんて、興味ありませんでした。それはやっぱり、以前お話した幼少期のこともあって。……正直今も怖いです。神さんのこと信じたいけど、両親のように別れなくてはいけなくなっちゃったらって思ったり。そう思うと、なかなか一歩踏み出せなくて……」


「ちょっ、ちょっと待ってくれ美月」


必死に自分の気持ちを言葉にしていると、神さんは混乱したように頭を抱えたまま声を荒げた。


「このままだと俺、自分の都合のいいように解釈しちまうけど……それでもいいのか?」
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