次期社長の甘い求婚
それでも至近距離なことには変わりなくて、背中に回っていた彼の大きな手が頬に触れた瞬間、心臓が飛び跳ねてしまう。


すると神さんは目を細め、愛しいものを見るように甘い顔で囁いた。


「気持ちが通じ合うって、こんなに嬉しいことなんだな。……今、すっげ幸せ」

「神さん……」


言葉通り、幸せそうに微笑む彼の笑顔に胸がときめいた。


「私も幸せです」って言葉が、出てきてくれない。


神さんがあまりに幸せそうに笑うから……。
そんな笑顔向けられちゃったら、胸が苦しくなるに決まっているじゃない。


嬉しくて愛しくて、神さんが好きで堪らなくなってしまう。


いまだに胸を締め付けられっぱなしで、ただ神さんを見上げることしか出来ずにいると、頬に触れていた手は躊躇いがちに唇にあてがられた。


神さんの指が唇に触れただけで、身体が硬直してしまう。

私の唇を撫でる神さんは、男の色気を含んでいてどこか妖艶で。ますますドキドキしてしまう。


「なぁ、美月……このまま家に帰したくないんだけど、美月はそれでもいい?」

「……っ!」
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