次期社長の甘い求婚
その間も神さんは足を止めることなく部屋の奥へと進んでいく。


余裕ない横顔に、これからのことを嫌でも想像してしまう。


久し振りだし、ちゃんとできるか不安だけど……。


寝室に入ると、神さんは優しくベッドの上におろしてくれた。


ギシっとふたり分のベッドが軋む音が鼓膜を刺激すると、神さんはジャケットを脱ぎ捨て、ネクタイを緩めながら覆い被さってきた。


その姿が妖艶で男の人なのに、綺麗だと思えったほど――。


「美月……」


不安だけど、それ以上に神さんのぬくもりを感じたい気持ちが強い。


「神さん……」


覆い被さってくる神さんの首元に腕を絡ませ引き寄せると、何度もキスが落とされていき、少し乱暴に服を脱がされていく。



神さんが好き、大好き――。


何度も身体を重ねながら溢れる気持ちを伝え続けていた。
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