次期社長の甘い求婚
すごく嬉しい言葉だけど、そんなこと言われちゃったら泣きそうになってしまうよ。

鈴木主任に仕事面で認めてもらえて嬉しい。……こんな形でなければ、もっと嬉しかったのにな。


気持ちを必死に押さえこみ、鈴木主任と向き合った。


「ありがとうございます。……ちょっと不安ですけど、期待に沿えるよう頑張ります」


言葉を噛みしめるように言うと、鈴木主任は安心したように肩を落とした。


「そう言ってもらえて助かるよ。じゃあ早速引き継ぎ始めてもいいかな?」

「はい、よろしくお願いします」


それから引き継ぎは、午前中いっぱいかかってしまった。



「……とまぁ、こんな感じかな。ざっと説明してきちゃったけど、分からないところはあった?」


「いいえ、今のところは大丈夫です。ただ、実際にやってみないとなんとも言えませんが……」


必死に書きなぐったメモ帳を読み返すものの、理解はできたけれど、実際に来月からやるとなると自信はない。


曖昧な返事をすると鈴木主任は、「だよねぇ」と情けない声を漏らした。
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