次期社長の甘い求婚
「あの、神さん……そんなに見られてしまうと気が散っちゃうんで、テレビでも見ていてもらえると助かるのですが」


ちらりと見て言うと、神さんはキョトンとしている。


「え、見ちゃだめ? こんな機会なかなかないから、目に焼き付けておきたいんだけど」

「だめです! 気になって準備ができませんから」


抗議をするように言うと、神さんはクスクスと笑い出し「分かったよ」と言うと、ソファーに腰を下ろし、テレビの電源を点けた。


その姿にホッとし、作っておいた料理の盛りつけに取り掛かった。




「ごちそうさまでした。すっげうまかったよ」

「お口に合ってよかったです」


神さんがどれくらい食べるかいまいちわからなかったから、少し多めに作ってしまったけど、すべて完食してくれた。

それが嬉しくて頬は終始緩みっぱなし状態だ。


それから「片付け手伝うから」と言ってくれた神さんとふたりで食器を洗い、珈琲を淹れてソファーでゆっくりテレビを見ているんだけど、違和感を覚えずにはいられない。
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