次期社長の甘い求婚
いつもはひとりでのんびり寛いでいるソファーに神さんと一緒に座って、テレビを見て笑ったりしているのだから。


しみじみと“幸せ”って感じられてしまう。


彼と肩を並べ見ていたテレビ番組が終了してしまうと、どちらからともなく息が漏れてしまう。


「面白かったな」

「はい。久し振りに見ると面白いですね」


それはきっと神さんと一緒に見たから、余計なのかもしれない。

そんなことを考えながらもふと時計を見れば、二十三時になろうとしていた。


確か神さん、明日も朝が早いって言っていたよね? ならあまり遅くまで引き留めるわけにはいかないよね。


そう思い、珈琲を飲んでいる神さんの様子を窺いながら、それとなく切り出した。


「神さん、疲れていませんか? 明日も早いって言ってましたよね?」

「あぁ、朝一で羽田空港。日帰りで大阪まで行かなくちゃいけなくてな」


大阪!? 


まさかの話にギョッとしてしまう。

朝早いとは聞いていたけど、まさか日帰り出張だったとは……!


「すみません、それなのに遅くまで引き留めてしまって」


慌てて立ち上がり、かけておいた神さんのジャケットを取りに行こうとしたとき。
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