次期社長の甘い求婚
まさか今日、お父さんと会うことになるんて夢にも思わなかったな。
それに――。


思い出してしまうのは、お父さんと神さんのお父さんが話してくれた話しばかり。


好きな人と一緒になれることが、一番の幸せだと信じて疑ってこなかった。
でも、私と神さんは違うのかもしれない。


好きだからこそ、別れた方が幸せになれるのかも――。


けれど想像しただけで、哀しくて泣いてしまいそうになる。


こんなに好きなのに、結婚してずっと一緒にいられると思っていたのに。

それなのに、神さんと離れることなど出来るのかな?


神さんとはまだ出会ったばかりだけど、私にとって大切な人。
それなのに、別れることなんてできる?


けど、ふたりから話を聞いて自信を持って神さんを幸せにできる! って言えない。


私には教養も知識もないし、結婚できたとしても神さんに迷惑かける事になってしまうかもしれない。


私と結婚したことで、しなくてもいい苦労をさせてしまうかもしれないし、なにより知っているから。
神さんがどれほど努力しているかを。


陰口を叩かれようと反論することなく、「もっと努力しないと」って言っていたもの。


そんな神さんの重荷にはなりたくない。

それじゃ私が進むべき道は……?
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