次期社長の甘い求婚
そのまま流れるように寝室に移動し、何度も何度も愛し合った。
お互いのぬくもりを刻み込むように――……。


「あと十二時間後には、美月は帰っちゃうんだよな」

「そうですね……」


ベッドの中で抱き合ったまま神さんがポツリと呟いた。
時刻は深夜二時。


今日の午後十四時過ぎの新幹線で東京に戻る予定だった。

時間にしてカウントダウンしちゃうと、急に寂しさに襲われてしまう。


青森に来るまでは、三日間も神さんと過ごせるんだって思っていたのにな。
幸せな時間程過ぎるのはあっという間すぎる。


「でもまた来月には会えるからな、しばらくの辛抱だ」


神さんの手が優しく私の髪に触れるものだから、意識がまどろんでしまう。


まだ寝たくないのに、な。
神さんの大きな手に触れられると、眠くなってしまう。


頑張って目を開け、話題を振った。


「神さん、お仕事の方はどうですか?」

「なんだよ、急に」


突然仕事の話を振ったものだから、神さんは可笑しそうにクスクスと笑っている。

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