次期社長の甘い求婚
「美月を幸せにするためにも、頑張らないと。……一生幸せにしてやるために、な」


甘い言葉に胸が締めつけられる。


「……あのさ、いずれバレるだろうから言うけど、ちょっとその……美月との家族に反対されていて」


言いにくそうに話し出した神さんに、半月前のお父さん達の話が脳裏をよぎる。


「だけど大丈夫、必ず説得するから。美月に嫌な思いさせない」


安心させるように囁かれた言葉に、泣きそうになってしまう。


お父さんの言う通りだ。
神さんに私はしなくてもいい苦労をさせてしまっている。
大変なときなのに……。


「そのためにも俺、早く一人前になるから。誰にも文句を言わせないくらいに」


どうしよう、視界がぼやけてしまう。


必死に堪えていた涙が少しずつ溢れ出す。
それを悟られないよう、神さんの胸元に顔を埋めた。


「ありがとうございます。……でも神さん、無理だけはしないでください。私は神さんのそばにいられるだけで幸せですから」


「美月……」

その気持ちだけで十分だよ。
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