次期社長の甘い求婚
神さんが好き。どうしようもなく……。


だからこそ決めたことなの。
今が辛くても、きっとこうするべきだと思ったから。


神さんには幸せになって欲しいから――。


「さようならっ……神さんっ」



「また」じゃないんです。

ずっとそばにいることは、できないんです。


交わした約束、守れなくてごめんなさい。


でも私が伝えた言葉すべてに嘘はないから。


どんなに離れていたって神さんの幸せを願っている。
どこにいたって応援しているから……。


帰りの新幹線の中、涙が止まることはなかった。

たった三日間、夢のような時間を思い出すたびに何度も苦しくなりながら――……。
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