次期社長の甘い求婚
「高岡様より伝言を預かっております。食事に備えてドレスアップしていなさいと」


ドレスアップって……お父さんってば。


「荷物の方は責任を持って、お部屋の方へお運びいたしますのでお安心を」

「……すみません、それじゃお願いします」


どうして私に相談もナシにこういうことしちゃうかな。
そりゃホテルのレストランで食事だし、それなりの格好で行かなくてはいけないことは分かっているけど。


本当は明日に備えて少しでも身体を休めたかったんだけどな。


それでもお父さんの好意は嬉しい。
それにこんなところでドレスアップしてもらうなんて、この先ないかもしれないし。


ここはお父さんの好意に甘えてお世話になることにした。



それから二時間後。

全身のマッサージから始まりメイクにヘアセット。そしてお父さんが用意してくれていた赤いドレスに身を包んだ自分は、まるで別人のようだった。


鏡に映る自分をまじまじと見つめてしまっていると、担当してくれた女性が「とてもお似合いですよ」なんて言ってくれたものだから、恥ずかしくなってしまった。


明日の亜紀の結婚式には自分でヘアメイクをやるつもりでいたけれど、明日もここでお願いしちゃおうかな。
だってこんなに素敵に仕上がてくれたんだもの。
< 373 / 406 >

この作品をシェア

pagetop