次期社長の甘い求婚
「いいえ、そんなっ! むっ、むしろいいんでしょうか?……奢って頂いてしまっても」


恐る恐る問いかけると、鈴木主任は途端に表情を綻ばせた。


「もちろんいいに決まっているよー。それくらいしか上司らしいところ見せられないし、是非とも奢らせて!!」

拳を握りしめ力説する彼に、堪え切れず噴き出してしまった。


「アハハッ! もうなんですかそれ」

今が勤務中でここがオフィスということも忘れ、声を上げて笑ってしまった。


年上の彼にこんな感情失礼だって分かっているけど、思わずにはいられない。
なんて可愛い人だろうと。


「……ちょっと小野寺さんってば、笑いすぎ」


こうやってちょっぴり頬を膨らませてむくれてしまうところも、好きだなって思えてしまうのだから重症だ。

「すみません、つい」


けれど決して彼は怒っていないと分かる。
すぐにいつものようにヘラッと笑い出したのだから。


「おいおい、いい話しているじゃないか」

「わっ!! 課長!?」


勢いよく駆け寄ってきたかと思えば、がっしり鈴木主任の肩に腕を回してきたのは、私達の会話を聞いていたであろう課長。
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