次期社長の甘い求婚
「いいえ! 鈴木主任も素敵な人です!! ……私は東京にいるときも、こちらに来てからも何度も助けられてきました。本当に素敵な人です」


「美月ちゃん……」


これだけは信じて欲しい。

私にとって鈴木主任はいつまでたっても、憧れの上司でありそして、理想の男性でもあるから。


「私が言うべきことではないですけど、鈴木主任ならすぐに素敵な女性が寄ってくるはずです。……人を惹きつける魅力のある方ですから」


それに一緒にいると、とても和まされる。幸せな気持ちにさせてくれる不思議な人だから――。


伝えたい想いを伝えると、なぜか社長は深い溜息を漏らしポツリと声を漏らした。


「――だ、そうだ。好きな女にここまで言わせておいて、盗み聞きとは男として情けないぞ、一郎」

「――え?」


社長の声に目を見開きキョロキョロしてしまうと、観念したようにドアがゆっくりと開かれ、気まずそうに顔を見せたのは鈴木主任だった。
< 396 / 406 >

この作品をシェア

pagetop