次期社長の甘い求婚
「まっ、松田さん~! 勘弁してくださいよ。皆さんも!!」


当然鈴木主任は情けない声を上げると、予想通りの反応だったのかみんな声を上げて笑い出した。


最後までいつもの雰囲気で別れが悲しいはずなのに、笑わされてしまう。

それはきっと鈴木主任の存在が大きいからだ――。



しばらくの間、みんなと他愛ない話で盛り上がっていると「美月」と呼ばれてしまう。


「そろそろ行こうか」


申し訳さなそうに神さんに呼ばれ、いよいよお別れの時なんだって実感させられていく。


咄嗟に涙が溢れそうになってしまったけれど、グッと堪える。
だってせっかくみんなと笑い合えていたんだもの。……このまま笑顔でさようならしたい。


神さんとお父さんの元へ歩み寄り、みんなを見据えると同時に大きく頭を下げた。



「皆さん、三年間本当にお世話になりました! ここで過ごした三年間、一生忘れません!!」



笑顔で顔を上げたというのに、さっきまで一緒になって笑い合っていたみんなの表情は一変。

今にも泣き出してしまいそうな人や、既に顔を背け泣いている人もいる。
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