次期社長の甘い求婚
もうなによ、みんなして。
せっかく笑顔でお別れしようと思っていたのに、泣かれちゃったら無理じゃない。


目頭が熱くなるとすぐに涙が溢れてしまう。


「美月ちゃん、元気でなっ!」

「たまには遊びに来いよ」

「いつでも待っているからね」

「幸せにしてもらうんだぞっ! でないと専務が浮かばれねぇ」


次々と投げ掛けられる言葉。

最後にどっと笑いが巻き起こると、つられるように泣きながら笑ってしまった。


本当にお世話になりました。
ここで過ごした三年間を絶対に忘れないから――。



別れ際、車の中で鈴木主任と目が合った。
お互い笑顔で別れ、車は走り出す。


最後に心の中で鈴木主任に向かって囁いた。


“必ず運命の人は現れますから”って――。



「あそこで美月がどれだけみんなに可愛がってもらえていたか、嫌でも理解できたよ」

みんな姿が見えなくなると、慰めるように私に寄り添いそっと手を握ってくれた。
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