次期社長の甘い求婚
「あぁ言われちゃったら、死に物狂いで美月のことを幸せにしないとな。鈴木主任の分も」


「神さん……」


「当たり前だろう。でないと俺も許さん」


すかさず助手席から会話に割って入ってきたお父さんに、神さんとふたり顔を見合わせ笑ってしまった。



大丈夫、きっと現れるはず。
鈴木主任にも、一緒にいて幸せを感じる運命の相手が――……。




五年後――。


「郵便ですー」

「ご苦労様です」


夕暮れ時、庭に咲きほこる花に水をあげていると、郵便物が届き配達員から受け取った。


神 美月になって早五年。


都心の一等地に建てられた一軒家で私と恭介さん、そして生まれて二歳になる息子の健介と三人で幸せに暮らしていた。


「ママー、おてがみ?」


庭で遊んでいた健介が駆け寄ってくると、愛くるしい笑顔で問いかけてくるものだから、胸がキュンと鳴ってしまった。
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