次期社長の甘い求婚
亜紀の観察力が鋭い。
人の気持ちを汲み取るのが得意で、人間関係で悩んだ際は亜紀に相談してきた。


面白いくらい会ってもいない人の特徴やクセ、行動パターンをズバリと言い当ててきたのだ。

亜紀から見て神さんはどうなのだろうか。


ジッと答えを待っていると、亜紀は目を逸らすことなく私を見据えたまま自分の意見を述べた。


「まだ恭様とは半月程度しか一緒に仕事していないけど、それでも人間性は掴めてきたよ。あの人、女性関係は激しいし根っからの遊び人だと思うけど、仕事に対しては人一倍努力していると思う。時期社長って重圧もあるんじゃないかな? そんな中で慣れない仕事よくやっていると思うよ。それは営業部のみんなも認めていると思う」


予想に反した話に、目を見開いてしまう。
そんな私を気にすることなく亜紀は話を続ける。


「その恭様が一切女の子に目を向けず仕事に明け暮れ、終わればすぐ庶務課に向かう姿を見せられたら、誰だってあんたのこと、本気なんじゃないかって思うわけじゃない?」


「……と、言われましても……」

反応に困ってしまう。
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