次期社長の甘い求婚
こっちは既に撃沈しているというのに、完全に沈没させてこようとは……。


亜紀と出会って一年と少し。そういえば私、彼女に励ましの言葉をかけてもらったことなんて、一度もないかもしれない。


いつだって相談をすれば、こてんぱんに打ちのめされてばかり。

もちろんこれが彼女なりの優しさだってことは、重々承知している。

私のためを思って叱咤してくれていると理解しつつも、やはり毎度のことながら、凹んでしまう。


それでも今回もまた亜紀を頼った利益が出たことは間違いない。


大きく深呼吸をし、気づかないうちにさらに減ってしまったランチプレートの残りを慌てて口に運んだ。




「あっ、小野寺さんおかえりなさーい」


語尾に音符マークでもついていそうなほど上機嫌な声で出迎えてくれたのは、庶務課の先輩方。


「おっ、お疲れ様です……」


若干後ろに後退しつつ挨拶を返すと、あっという間に先輩達に囲まれてしまった。


一体何事!? けど待って! 先輩達が私を囲むような心当たりと言えばただひとつしかない。
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