私と彼をつなぐもの。
「いってぇーなぁ。」


そう呟いたのは、びくともせず腕をさする一人の男。


「あらら。七瀬ちゃん大丈夫かい?」
うさぎ屋のおばあちゃんがカウンターから覗きこむ。

「うん。大丈夫。………すみません。よく見てなくて。」


私はお尻を擦りながら立ち上がると、ぶつかった男の人に謝る。


ん?



この人。どっかで見たことあるような。



私はその男の人をじっと見る。

ダークブラウンの短めの髪は、
前髪はぐっとあげられて、毛先をツンツンと遊ばせている。

身長は高く、恐らく180センチほどあるだろうか。

整えられた眉に、二重のキリッとした瞳。
通った鼻筋。形のいい唇。


うん。イケメンだ。
こんなイケメンの知り合いいたっけ?
芸能人か、なんかかな?


そう考えながらじーっとその男の人を見ていると。


「あ?なに見てんだよ。じろじろ見るなよ。」


と眉間に深いシワを寄せ立ち去ろうとする、その男の人の後ろ姿。


あ。



「あー!!ごみ男っ!!」


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