フェルラリア魔法学園
戻ってきた父に促され、私達は車に戻った。

(魔界に行くって事は、もう皆に会えないって事だよね…蝶子と約束したのに…)

運転しながら、父は私に話しかける。

「まだ…混乱してるよな。」

「うん……」

「俺もあまり知らなかったんだけど、魔界では、15歳から魔法を学ぶらしい。小さい時は魔力が不安定だからなんだそうだ。」

「そうなんだ…」

元気の無い私を見て、父は続けた。

「魔界からあの手紙が来た時、俺は本当は行かせたくなかった。けど、お前の母さんは強い魔女だった。その血を引く椿も、相当な魔力を持っているはず。椿がこのまま人間界で暮らしたら、その強過ぎる魔力で、自分自身を傷つけてしまうかもしれない。だから、魔界に行って、魔法の使い方を学んだ方がいいんじゃないか…って思ったんだ。」

「お父さん…」

「それに、母さんは、お前が立派な魔女になる事を望んでいた。」

「お母さんが……?」

「母さんの為に魔界に……行ってくれるか?」

お母さんは私に魔女になって欲しかったんだ……


「……分かった。私行くよ。」
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