毒舌王子に誘惑されて
こないだは大チャンスを逃してしまったけど、今回こそはバッチリ成果をあげられそうだ。

大井アナを追いかけてきたら、時間差でホテルに入る京堂の姿も確認できたのだ。 既に二人がそれぞれホテルに入っていく写真はおさえてある。

これだけでも記事にはできるけど、あわよくばツーショットを撮りたい。

もちろん入る時と同じく時間をずらされる可能性もあるのだけど・・。


「しっかりツーショット撮って、いい加減この仕事から解放されたいですねー」

葉月君は首をポキポキ鳴らしながら、うんざりした口調で言った。

私はその姿をじっと見つめる。


ーーびっくりするくらいに普通、なのよね。

私は小さく溜息をついた。

あのデートから、変に意識してしまっているのは私だけで葉月君は何も変わらずいつも通りだった。

そりゃね、仕事中に甘い空気とか出されても困るし普通にしてくれることはありがたいんだけど・・・。


デートもあのキスも完全になかった事にされてるみたいで・・・


寂しい・・。


胸の奥がチクリと痛んだ。
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