毒舌王子に誘惑されて
あれから、リアル編集部は総力を挙げて添田の淫行疑惑を調査した。

高田編集長は政界に強いパイプがあるようで、次々に色々な情報を引き出してきた。
普段の穏やかなおじさんとは違う一面を見せる編集長はちょっとかっこ良かった。


結果、葉月君の読みは正解で、あの時の女の子は女子高生だった。
添田は未成年の売春を斡旋する組織の常連客だったのだ。
この組織の顧客には他にも政治家や財界の大物もいた事が明るみになり、女子アナの不倫とはレベルの違う大スクープだった。


「いやー、二兎追うものは一兎も得ずって言うけどあれ間違いだったね。二兎どころか十兎分くらいの大スクープ、お手柄だったよ〜」

編集長はビールジョッキ片手にこれ以上ないくらい上機嫌だった。

「もともとは一兎しか追ってなかったんで、ちょっと違うんじゃ・・」

私の反論は編集長の浮かれた大声にかき消される。

「細かいことはいーの、いーの。これで、うちもエロとラーメン特集だけじゃないんだぞって社内外にアピールできたしさぁ。とにかく、今回のことは美織ちゃんと葉月の手柄なんだから遠慮せず食べて、飲んで!! 」

「は、はい」

編集長にお酌されて、私は慌ててグラスを空ける。
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