毒舌王子に誘惑されて
今回の添田のスクープは社内でも高く評価されて、今年の社長賞は間違いなしと噂されていた。
社内で顔見知りにすれ違う度におめでとうと声をかけられるものの、私はあんまり実感がわかなかった。
・・というより、大井アナのスクープは連日頑張った成果だから嬉しいんだけど、添田の方は完全な棚ぼたで私が何かをしたわけじゃないんだよね。
「せっかくの祝杯会なのに、浮かない顔してますね」
「葉月君」
葉月君がグラスを持って、私の隣に腰を下ろした。
「ま、美織さんの考えてることは何となく想像つきますけど・・ 運も実力のうちって言うじゃないですか」
何となくどころか、完全に見透かされてる。
それに、と葉月君は続けた。
「本気で一兎を追いかけたから、二兎めに会えたんだと俺は思ってますけど。
だから、素直に喜んどきましょうよ」
葉月君は私のグラスに自分のグラスをカツンとぶつけると、一気に飲み干した。
私はふっと口元を緩ませる。
「すっごいポジティブ。 けど、いい考えね。 私もそう思うことにする」
「でしょ?」
葉月君は片目を瞑って、柔らかく微笑んだ。
社内で顔見知りにすれ違う度におめでとうと声をかけられるものの、私はあんまり実感がわかなかった。
・・というより、大井アナのスクープは連日頑張った成果だから嬉しいんだけど、添田の方は完全な棚ぼたで私が何かをしたわけじゃないんだよね。
「せっかくの祝杯会なのに、浮かない顔してますね」
「葉月君」
葉月君がグラスを持って、私の隣に腰を下ろした。
「ま、美織さんの考えてることは何となく想像つきますけど・・ 運も実力のうちって言うじゃないですか」
何となくどころか、完全に見透かされてる。
それに、と葉月君は続けた。
「本気で一兎を追いかけたから、二兎めに会えたんだと俺は思ってますけど。
だから、素直に喜んどきましょうよ」
葉月君は私のグラスに自分のグラスをカツンとぶつけると、一気に飲み干した。
私はふっと口元を緩ませる。
「すっごいポジティブ。 けど、いい考えね。 私もそう思うことにする」
「でしょ?」
葉月君は片目を瞑って、柔らかく微笑んだ。