毒舌王子に誘惑されて
「あの・・リアルの不動のエースって一体??」
隣の佐藤さんにこっそり尋ねると、佐藤さんはニヤリと笑って自信満々に言った。
「そりゃあ、うちのエースといったら、ラーメン様だよ。 いつ出しても結果を残してくれる大エースだね」
かくして、満場一致で差し替え記事は「東京ラーメン戦争・2016春の陣」に決定した。
今日中に取材先の選定、アポ取りと記事のレイアウト作成。
土日で一気に取材して、取材後は徹夜で
原稿整理、ギリギリ月曜の入稿に間に合わせるという強硬スケジュールだった。
葉月君一人じゃ到底無理な話なので、コンビを組んでいる私は当然一緒にやるつもりだったし、編集長だってそれを前提に指示を出していた。
「ーーは??」
本当ははっきりと聞こえたけど、思いっきりわざとらしく聞き返してやった。
「だから、完全に俺のミスなんで手伝わなくていいです。 自分で何とかしますから」
葉月君は私から目を逸らして、ぶっきらぼうに言った。
「・・・」
私は怒りのあまり、言葉が出てこない。
「今日、デートじゃないんですか?
せっかくお洒落してるんだし、遅刻しないで行ってくださいね」
葉月君は私の全身をちらりと見た。
今日の私の服装は水色のブラウスにネイビーのサブリナパンツ。髪はクリップで一つに束ねただけだし、アクセサリーもつけてない。
ごくごく普通の通勤ファッションだ。
でも、問題はそこじゃない。
そんなことはどうでもいい。
隣の佐藤さんにこっそり尋ねると、佐藤さんはニヤリと笑って自信満々に言った。
「そりゃあ、うちのエースといったら、ラーメン様だよ。 いつ出しても結果を残してくれる大エースだね」
かくして、満場一致で差し替え記事は「東京ラーメン戦争・2016春の陣」に決定した。
今日中に取材先の選定、アポ取りと記事のレイアウト作成。
土日で一気に取材して、取材後は徹夜で
原稿整理、ギリギリ月曜の入稿に間に合わせるという強硬スケジュールだった。
葉月君一人じゃ到底無理な話なので、コンビを組んでいる私は当然一緒にやるつもりだったし、編集長だってそれを前提に指示を出していた。
「ーーは??」
本当ははっきりと聞こえたけど、思いっきりわざとらしく聞き返してやった。
「だから、完全に俺のミスなんで手伝わなくていいです。 自分で何とかしますから」
葉月君は私から目を逸らして、ぶっきらぼうに言った。
「・・・」
私は怒りのあまり、言葉が出てこない。
「今日、デートじゃないんですか?
せっかくお洒落してるんだし、遅刻しないで行ってくださいね」
葉月君は私の全身をちらりと見た。
今日の私の服装は水色のブラウスにネイビーのサブリナパンツ。髪はクリップで一つに束ねただけだし、アクセサリーもつけてない。
ごくごく普通の通勤ファッションだ。
でも、問題はそこじゃない。
そんなことはどうでもいい。