吸血鬼に甘い鎖を

選択肢

『今日はここに泊まる』。






クロト君にきっぱりとそう言われ、
私は今案内されながら部屋へと
向かうところだった。




「…結局なんだかんだ言って、
クロト君もお父さんに
会いたかったんだよね」



そう思うと笑いがこぼれる。




『笑うなッ!!

…ほら、着いたぞ』



ドアを開けると、
そこには立派な貴族風の部屋が。



全て真っ白の家具で統一され、
天蓋つきのベッドのそばには窓。




「…す、すご」


さすがお城って感じだよっ。




『さ、先に風呂入ってこいよ』



そう言いながら
ソファにドカッと座り込むクロト君。




「…え。

何やってんのクロト君。

もう部屋はわかったから
戻ってていいよ」




『あぁ?

何言ってんだ。


咲と俺は同じ部屋なんだよっ』


にやっと笑いながらそう言った
クロト君。




「…え、えぇえぇええええーッッッ!?!?」







< 114 / 168 >

この作品をシェア

pagetop