吸血鬼に甘い鎖を
「なんかちっちゃい子供
みたいだねー」




クロト君の腕から離れて
ソファに座りながら
そういったら、



『誰が子供だっ』


また怒ってる。



「そうそう、レンディアさんに
会ったとき思ったんだけど
クロト君のお母さんて、
どうしてるの?」



なんとなく、不安なことではあった。



クロト君に聞くのが、
怖かった。



その言葉に、
クロト君は黙った。



『…死んだ。

俺が3歳のとき』



…え…。



「…ごめん。

なんとなくわかっては
いたんだけど…」



そこを聞くか聞かないかって
はぐらかすと、
クロト君また怒ると思ったから…。





『いーって。

俺もあんまし覚えてないしな』


クロト君は笑って私の向かい側のソファに
腰掛けた。




「…小さかったから?」





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