吸血鬼に甘い鎖を
『それもあるだろうけどな。

おふくろ自体、
あんまりヴァンペトリーに
いなかったんだ』


…それって…。




『おふくろは人間だったんだ』


わ、私と同じ…!!!




「…じゃあ人間界に
いることが多かったから、

クロト君が生まれても
あまり育てにこられなかった
ってこと…?」 



クロト君はうなずいた。



『けど親父は
そんなおふくろを責めは
しなかった。


普通なら
「子供を捨てた親」とか
「無責任」とか
言われるだろ?



でも結局
好きになったのは親父だし、

こういうことに巻き込んだのも
自分だから仕方なかったって
思ったんじゃねぇのかな』



…吸血鬼の
お嫁さんになってしまったから…。



レンディアさんは
どんな態度をとろうと
黙っていたんだね。



『まぁ今となっては
昔の話だし、
どうってこともないけどな』



「…そっか…。


…でも私、クロト君の
お母さんと同じ運命
たどってることになるんだね」
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