恋に目覚めたシンデレラ

「西園寺様に雇われて間もない頃でしたし私も至らなかったのだと思います。お叱りを受けたのも当然で仕方のない事です。それでは戻るので失礼します」


三枝さんて仕事に忠実で真面目な人なんだ。
それに腰が低い。
そう言えば前に晃さんが三枝さんと小野寺さんのことは二人とも信頼していると言っていたっけ。


羨ましいな……。
私の事は……想っていてくれていても信頼にはまだまだ遠い気がする。
今まで結構迷惑かけちゃってるし。


帰ってきても仕事で疲れているのなら話しはできないかもしれないなと思ったけど沙織の家に泊まることだけは話したい。

家の中に入って着替えも済むと。
昨夜の事とや今朝の自分に対する態度なんかを考えているうちに何となく落ち着かない気分になってきてしまう。


小野寺が食事の用意をし始めた頃、動いていれば気分が落ち着くかもと手伝いをさせて貰いながら会話をしたりしているうちに気分は落ち着いてきた。


それも食事の用意が終わるまでで時間が来たら早々に小野寺は帰り支度を始めてしまった。
一人になるのは嫌だと思ったけど小野寺にも家族がいる引き留めるわけにも行かないと名残惜しい気持ちを抑えつつ玄関まで見送った。



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