恋に目覚めたシンデレラ
葵がホットミルクを飲み終わるまで滉はキッチンにいた。
「今度は眠れそうですか?」
「眠れるといいんですけど」
「眠れないのはきっとショックを受けたせいだと思います。そういう時は先ずは体を休ませるといいと聞いたことがあります」
「……はい。私、滉さんに心配ばかりかけてますね」
「そんなことは気にしなくていいんです。とにかくゆっくり休んで下さい。明日は日曜日で寝坊しても構いません。小野寺さんにはあなたが起きるまでは声をかけないように言っておきます」
「ありがとうございます。おやすみなさい」
階段を上がろうとしたけど動けなかった。
「どうしましたか?」
「動けないんです。私、どうしちゃったんだろう……」
何で……動かない。
体に重圧がかかってるみたいに動けない。
また滉さんに迷惑をかけてしまう。