恋に目覚めたシンデレラ


「葵さん、おはようございます」


「おはよう」


「どうしたんですか?そんな所に突っ立って」


「う……ん。何でもない」

本当は矢嶋くんが来ているか確かめてた。


朝、車に乗る前に滉さんから休んだらどうかと言われた。
飲み会の日の事は当分忘れられそうにない。
矢嶋くんと同じ場所で仕事をするのは正直きついけど。
それでも出勤すると決めて車に乗った。


まだ矢嶋くんは来てないようだ。
いつも早めに来ているのに珍しい……。
顔を合わせるにはもう少し猶予がありそうでちょっとホッとしてしまった。


矢嶋くんは朝礼ギリギリになってやって来た。
何か言いたそうにしていたけど……。
視線をそらしてしまった。



その後朝礼で矢嶋は別の部署に来週から異動すると課長から話しがあった。
こんな時期に異動の話しなど普通ならないのにと葵は不審に思う。


矢嶋くんが後輩の社員に引き継ぎのためにいた数日間、私は矢嶋くんと同じ場所にいながら一度も仕事で接することがなかった。



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