恋に目覚めたシンデレラ


「昼間、あなたの婚約者が来てアパートの契約解除をしていったの。もちろんその人から今月分の部屋代も頂いたから安心してね。
本当ならこういう事って本人抜きでするのは良くないんだけど、あなたも承知の上だと言うしきちんとした感じの人だったから――――」


勝手に契約解除をした……
婚約者……そんなのいない。
サギだ間違いない。
これって新手のサギ。

「管理人さんは騙されたんです」

「えっ、騙された?じゃあ……あの男性はあなたの婚約者じゃないの?」

「私には婚約者なんていませんサギにあったんです。やっぱり警察に連絡を」

「そんな騙されたなんて……どうしましょう」

今度こそ管理人は顔色をなくしてオロオロと慌て始めた。

「でも、そんな……名刺も貰ったのよ」

「名刺ですか?」

「そう、これなんだけど」

管理人に見せて貰った名刺には葵が知っている名前が載っていた。

「晃さん……?どうして」

「倉橋さんの知り合い?そうなのね。
とにかく良かったわ警察に知らせる前に解って。
婚約者と行き違いがあったのかしら?とにかくサギじゃないみたいね。鍵は後でポストの中に入れて置いてね」

騙されたんじゃないと解ると管理人はさっさと中に入って行ってしまった。
とにかく晃さんに電話して確かめないと。

《葵さんですか?電話待ってました≫

《……どう言うつもりですか?》

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