恋に目覚めたシンデレラ
滉さんの恋人になるそんな未来……。
これからどうなっていくかなんて解らない。
でも今は滉さんとは只の友達。
「やっぱりっ、嘘は」
「座って下さい!」
葵は納得いかなくて口を開きかけたけど。
椅子に座らされて肩に晃の手が置かれ一瞬力が入った。痛みは感じてはないけれど初めて聞く怒っているような硬い声に……
これ以上の反論は無駄なのだと理解した。
「まぁ、仲がよろしくて良いですね。さあ用意がととのいました。お二人とも召し上がって下さい」
「葵さん、頂きましょう」
仲良くではなくて脅されてるんです……
小野寺には2人は仲良くしてるように見えるらしく微笑ましいと言ったようにニコニコと私達を見ている。
それから葵達が食べ始めると小野寺はお掃除をすると言って行ってしまった。
「言い忘れていましたが会社へ行く時は車に乗っていってください」
「えっ……」
自分は会社へは滉とは別にいくつもりであの車にお世話になるなど考えてもいなかった。
つい手元が狂い箸で口に運ぼうとしていた煮物のにんじんをポトリとテーブルに落としてしまう。
「車ですか……。そんなことをして貰わなくても大丈夫です。自分で調べて駅の場所も分かったし電車で行きます」
「いいえ葵さんは俺と車で一緒に。
ここからなら裏道を通れば20分もかからないと思います。8時には玄関に来て下さい」
「私は一般人なのであの高級車で送ってもらうのは気がひけるというかとにかく電車で行きます」
「車で行くのは気がひけると言いましたか?
葵さんは俺の婚約者ということになっています。婚約者を一人で会社に行かせられるとお思いですか?それに一人で行かせたなんて小野寺さんが知れば変に思うでしょう」