恋に目覚めたシンデレラ
婚約者としてあの高級車に乗れということらしい。
「婚約者としてってことですか」
「そういうことです。納得してもらえましたね」
葵はしかたなく頷いた。
「先に戻ります食器は小野寺さんがすべて片付けてくれます。食事が済んだらこのままにしておいて下さい」
滉さんは椅子から立ち上がると話しはおしまいと言うようにさっさと行ってしまった。
食べ終わったけど本当にこのままでいいのか。
自分達の使った食器だけでも運ぼうと思い先ず自分のお皿やお箸等を持った時
ちょうど小野寺がキッチンに入って来た。
「葵様!そんな事までしなくてもいいんですよ。こういう事は私の仕事なんですからそうだ!さっき西園寺様とすれ違って8時頃お出掛けになると言ってましたけどお支度なさった方がいいのでは?」
「これだけ運びますね」
持っていた分だけ流しの所に運んだ。
「あの……ずっと気になっていたんですけど名前に様は要らないです。様づけされるような身分じゃないから……」
「何を言っているんですか。西園寺様の御婚約者ですもの葵様とこれからもお呼びいたします」
「でも、様なんて変な感じがして……」
「やっぱりあの方達とは違いますね葵様は。
謙虚な方なんですね西園寺様が葵様に決めたわけが解りました。
それに今まで泊まった方はいましたけど自分から片付けるなんて事はありませんでしたよ。まぁ、西園寺様がお泊めしたかったわけではなく押し掛けられて仕方なくですけど葵様はあの方とは違ってしっかりしてらっしゃいますね」
どう言っても様づけはやめてくれないみたい。
それに勘違いされてる
私はしっかりなんてしてないし……むしろその逆。
「小野寺さんに誉めてもらえるような……そんなものじゃないです」