恋に目覚めたシンデレラ
「葵さん来ましたね。乗ってください」
靴を履いて玄関を出ると「いってらっしゃいませ」と小野寺から声をかけられた。
晃は軽く頷き葵も「行ってきます」と答えてから外に出ると運転手がドアを開けて待っていた。
運転手にも挨拶すると笑顔で答えてくれた。
バッグからスマホを出して乗るはずだった駅の場所を確認してみようと外を見る。
「外に何かありましたか?」
ずっと外を見ているから訝しく思ったようだった。
「駅の場所を確認しようと思って」
「まだそんな事を、毎日この車で送迎するのだから駅など必要ないです」
不機嫌そうに聞こえて怒っているのかと思ったけど違ったようだった。
「帰りも葵さんの会社まで迎えに行きます。仕事は何時に終わりますか?」
時間を尋ねた滉の声にさっきの不機嫌さはなかった。
「帰りですか?5時には終わります」
「では、その頃迎えに行きます。もし残業があるのなら連絡を貰えればその時間に合わせるようにします必ず言って下さい」