恋に目覚めたシンデレラ


会社の近くの人通りが少ない場所で降ろして貰ったけど、それでも知っている社員の何人かに見られてしまった。


「倉橋、お前ってどこかのお嬢様だったっけ?」

「何?いきなり」

「ほら、さっき高級車から降りてたろう?」

葵が職場に入って行くと同期の男性社員の矢嶋に声をかけられた。
どうやら車から降りたところを見られていたらしい。

「まさか、違うよ。私がお嬢様に見える?」


「そうだよな……今見るとお嬢様には見えない。高級車がなきゃあ只の凡人だな」

「失礼ね」

「怒るなよ、たしか倉橋は会社の近くのアパート住まいっだっけ?」

「何で知ってるの?」

「何でって……俺らの新入社員歓迎会の時の自己紹介でそう言ってただろ?」


アパートのことまで話したかな……記憶に無い。

「そんなこと言ったっけ?覚えがないよ」

「言った本人が忘れてたら意味ねーだろが」

「うーん」

「本当に覚えないのかよ。もういい無理に思いだす必要ないし」

「矢嶋さん、葵さんおはようございます」


「あっ!沙織ちゃんおはよう」


「長谷川、ちょうど良かった―――――」

矢嶋は仕事の事で沙織に話し始めたため葵は自分のデスクに座り仕事の準備を始めた。



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