恋に目覚めたシンデレラ
さっき感じた親近感なんて一気にどこかに飛んで行ってしまい。
この男性とは住んでる世界が違うと思い知らされた。
「ここで会ったのも縁かもしれません。良かったら食事でも?そのあと家まで送ります」
館内を一緒に回っている間、話し方や態度に気品を感じる所はあった、私のような凡人とは違うんじゃないかって思っていたけど運転手付きの車がそれを決定付けた。
車に乗るのもこの人と食事するのも不釣り合いなんだ……
体が後ろに一歩引けてしまった。
「すみません。私はここで失礼します」
駅まで歩き始めて直ぐに一台の車がクラクションを鳴らし私が立ち止まるとスッと近くに止まった。
視線を向けると後部座席の窓が開きさっきの黒縁眼鏡の男性が話しかけてくる。
「やっぱり送ります。乗って下さい」
「でも……悪いです」
ドアが開き車から男性は降りてきた。
「乗って下さい」
「駅までそんなにかからないし大丈夫です……」
「遠慮しなくていんですよ」
「あのっ、ちょっ……困ります」
背中を押され車の後ろ側、後部座席まで連れて行かれて「はい、どうぞ」とその流れでつい乗ってしまった。
断ったのにこの人ちょっと強引……。
乗って直ぐに運転席側と後部座席の間にテレビが付いている事に気付いた。
ゆったりとした広い車内、座席は座り心地の良いクッションでいかにもお金を持っている人が乗っていそうな車。
さすが運転手付きの車は内装も違うのだと感心してしまう。